「ガーネット」と言って思い浮かぶのは、ほとんどの人は「赤色の宝石」ではないでしょうか。じつは一般的に皆さんが思い浮かべたその「赤色の宝石」は「アルマンディン」または「ロードライト」という種類のガーネットなのです。
雑誌、書籍などで出てくる「1月の誕生石・ガーネット」。また、ジュエリーなどに加工され「ガーネット」として販売されているものも同様に上記の種類に該当する事が多いのです。
実は「ガーネット」と一口に言っても、正式に定められている種類やコマーシャルネーム(商業名)などを含めると様々な種類があります。
つまりガーネットとは「グループ」の総称なのです。
解りにくい『ガーネット族』が一目で解る“ガーネットベーシック”セット
今回複雑なガーネットの種類を、わかりやすく説明するために、代表的なガーネットの種類と鉱物標本をあわせたガーネットベーシックセットを作りました。
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*ベーシックセットの表記の説明*
三角形の「角」の部分に表記されているガーネットの種類は端成分で化学式が書かれているとおり、基本的な成分を持った種類。三角形の「辺」の部分に表記されているガーネットは、辺を挟む角と角の混合種類となります。実際にはさらに細かく混合されている場合もありますが、大まかな種類としてご理解下さい。
大きく分けて「二つ」のグループに
このガーネットグループ(ガーネット族)は大きく分けて二つの種類があります。
>>赤色系ガーネット(BOX上)
(1)パイロープガーネット Pyrope
(2)アルマンディンガーネット Almandine
(3)ロードライトガーネット Rhodolite(コマーシャルネーム)
(4)スペサルティンガーネット Spessartine
(5)カラーチェンジガーネット Color Change(コマーシャルネーム)
このうち、端成分のガーネットの3種類のスペルの先頭をとって、
パイロープ、Pyrope=Pyr
アルマンディン、Almandine=Al
スペサルティン、Spessartine=Sp
Pyralspite『パイラルスパイト』グループと言われます。
このパイラルスパイトグループは、別名アルミニウムグループとも呼ばれます。
それでは、化学式を見てみましょう。
パイロープガーネット Pyrope(苦礬柘榴石):Mg3Al2(SiO4)3
アルマンディンガーネット Almandine(鉄礬柘榴石):Fe2+3Al2(SiO4)3
スペサルティンガーネット Spessartine(満礬柘榴石):Mn3Al2(SiO4)3
赤く記しています部分に、Al(アルミニウム)を共通に持っていることがわかります。
和名も記載していますが、礬(ばん)=がアルミニウムという意味です。
そして、もう1つのグループ。
>>緑色系ガーネット(BOX下)
(6)ウバロバイトガーネット Uvarovite
(7)アンドラダイトガーネット Andradite
(8)マリガーネット(グランダイト) Mali(Andradite+Grossular)(コマーシャルネーム)
(9)グロッシュラーガーネット Grossular
このうち、端成分のガーネットの3種類のスペルの先頭をとって、
ウバロバイト、Uvarovite=U
グロッシュラー、Grossular=Gr
アンドラダイト、Andradite=And
Ugrandite『ウグランダイト』グループと言われます。
このウグランダイトグループは、別名カルシウムグループとも呼ばれます。
こちらも、化学式を見てみましょう。
ウバロバイトガーネット Uvarovite(灰クロム柘榴石):Ca3Cr2(SiO4)3
アンドラダイトガーネット Andradite(灰鉄柘榴石):Ca3Fe3+2(SiO4)3
グロッシュラーガーネット Grossular(灰礬柘榴石):Ca3Al2(SiO4)3
先頭の赤く記しています部分に、Ca(カルシウム)を共通に持っていることがわかります。
和名も記載していますが、灰(かい)=がカルシウムという意味です。ウグランダイトグループの和名の「灰」は「はい」とは読まずに石灰などの灰「かい」と呼びます。
★YouTube「ガーネッTV」でもガーネットの解説をしていますのであわせてご覧ください。
同じ系統の種類とは、例えば「アンドラダイト(灰鉄柘榴石)」の部分に、緑色のデマントイドまたは、レインボーガーネット、メラナイトなど一つの種類の中に複数の種類があるものを指します。また、ボリュームによって入っている鉱物の個数を変える場合もございます。
このセットの内容について、ご希望を承る事ができませんので、予めご理解下さい。